うちの短編を読んでミチさんがまた暴挙(イラスト化?)に出てくださいました。ありがたいです。
『この胸のときめきを、どうすれば作者である水月さんに伝えられるかと考えたところ
やはり…「絵」かな、と。 いや…「マンガ」かな、と。 』
そうメールに書かれていたのですが(勝手に抜粋すみません)、ミチさんの絵師魂に心から感謝です。
私にとっては本当にささやかなシーンだったのですが、それがこんなに静かで素敵で儚げな絵になる
とは……。毎度ながら、ミチさんの絵はイメージ通り――いや、それ以上で私のツボです。
ちなみにこれ、仕事中にマウスでグリグリと描かれたそうですよ(余計なことを洩らす。笑)
ついでに言っておきますと、私が「描いて」と頼んだわけではないのです。
だからこそ、本当に思わぬサプライズでおおいに励みになりました。ありがとうございます。 (by水月)

[小説本文より抜粋]
 目の前に彼が立った時、思わず、手で制していた。
「私はあなたみたいに過去がないの。何も経験したことがないのよ。さっきみたいなことはやめて」
 彼の右手が伸びる。そっと、肩を引き寄せられ、私の体が彼の腕の中へ入る。
 肩にあったはずの彼の手が、私の首筋をなぞり、髪の中へ入っていく。そこから、髪を梳くように下った
手は、肩甲骨辺りを撫で始めた。
 ぞくり、と何かが背筋を這う。
 彼の服をつかんで堪え、ようやく、口を開くことができた。
「や……めて」
「また、逃げるか?」
「やめなければ……」
 手が離れる。

■小説はこちらから→「肩を抱く手」(前後編です)
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